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個性豊かな・・・?投稿を掲載します。

ある日の北村アパートの風景
   
(河本@童夢君からの投稿・・・2002年4月20日)



 
昭和57年のとある秋の日の夜、またぞろと酒を酌み交わす男3人がいた。

場所は、桐生市にある群馬大学工学部の正門より徒歩3分、超人気
アコースティックトリオ『ゆどうふ』のリードボーカル兼ボケ役、
裾の広がったベージュ色のジャージパンツを365日欠かさず愛用していた
北林俊道氏の下宿先、電話番号は・・・、そう!忘れもしない!
0277-22-0724(ふーふでオナニーよ!)の『北村アパート』であった。

(注1:ちなみにこのアパートには、野口氏の卓球部の後輩であり、
    音研のドラマー松永氏も居た。)

話題はもちろんフォークソング、『吉田拓郎VSさだまさしの
叙事詩VS抒情詩における文化人類学的比較論』であった。

当時、さだまさし派に属していた迫良輔と河本祥久、相対峙して
吉田拓郎を愛してやまない北林俊道・・・と言う布陣がひかれていた。


北林「やっぱり拓郎の詩は、ストレートな表現がいいんだよねぇ〜〜!」

迫「浅田美代子は、なんで拓郎なんかと結婚したんだろう?!
   俺に一言相談してくれれば、結婚してやったのに・・・。」

河本「さだまさしのまさしは、漢字で書くと大島雅史のまさしと
     同じなんですよ。」

・・・・・

3人はいつものごとく、論点の定まらぬまま、好き勝手に
持論をぶちまけながら、時には、
「モーリス持てばスーパースターも夢じゃない!」の謳い文句で、
昭和53年に一躍有名ブランドとなった、北林俊道氏所有の超高級
アコースティックギター「MORRIS」をかき鳴らしながら、
「ヘベレケ」への道をひた走っていた。

(注2:このギターは、豪農の次男坊、北林俊道氏が故郷の秋田県
    仙北郡田代町赤川の自宅田畑を売り払って購入し、大館鳳明高校
    在学中にそのルックスと美声で、幾人もの女生徒を虜にした・・・
    と言う事実が有るか否かは定かではない。)


そのうち卒業論文の準備で疲れ果てていた北林氏は、一人高いびきを
かいて夢の中へ、そう、恋人の小野初枝さん(現夫人)の元に行ってしまった。

北林氏就寝後、二人は既に白みかけている空を見つめながら、空腹を
覚えたのに気が付いた。


河本「迫さん、腹が減りませんか?」

迫「う〜〜ん、腹減った!」


偶然とはあな恐ろしい。ちょうどそこへタイミング良く『なぁっと〜え、なっと〜』と
昔懐かしい納豆売りの親父が、愛社の田宮自転車を転がしながら、
北村アパートの階下に通りかかった。
河本がふと台所に目をやると、年代ものの炊飯器が!


河本「これだ!」


流しの近くに置いてあった皿を握り締め、急いで階下へと向う河本。


河本「親父!納豆売りとは近頃めずらしいですねぇ〜!」

親父「おうっ、そうかい!にいちゃんオマケしてやっからな!」


たんまりとテンコ盛りになった納豆を想像して、にんまりとほくそえんでいた
河本の手の上に・・・・10秒後には何の変哲もない量の納豆と、こぼれん
ばかりのカラシが盛られた皿が載せられていた。


親父「100円だ。ありがと。またなっ。」


しばし言葉を発する事も忘れて、立ち尽くす河本が居た。

気を取り直して部屋に帰った河本の目に映ったものは、「秋田米」と書かれた
米袋を抱えニコニコと微笑む迫氏の姿であった。
手際良く三合の米を研ぐ迫氏の後姿からは、「腹減った〜〜!」の言葉が
無言のまま連呼されていた。

かくしてご飯が炊けるのを待つ二人、傍らではケツを掻きながら、
相変わらず北林氏が眠り続けていた。

1時間後、真っ白に炊き上がったご飯にテンコ盛りのカラシを混ぜた納豆
を乗せ、口の中に掻き込む男が二人。


迫「一合だけは北林に残しといてやろうな。」

河本「勝手に飯炊いて食ったんだから、北林さんに悪いですからね。」

迫「んっ?この飯、芯があるぞ。」

河本「ほんとですね。」


中心部が硬いご飯粒である事もほとんど意に介さない二人が・・・・・
気付いた時には釜の中には数粒の米しか残されてはいなかった。
後で聞いた話であるが、ご飯を炊く際に外釜と内釜の間に水を入れて
炊くように出来た炊飯器なのだそうである。

朝食を終え、未だ覚めやらぬ北林氏を残し、各研究室へと散って行く
迫、河本両名の胸中には、お互い声には出さないけれど
「吉田拓郎もいいよなぁ・・・。」
の言葉が去来していた。

この時食べてしまった秋田米のお金は、未だもって北林氏には
支払われていない。

20年の時を経た今でも、鮮烈に記憶している出来事である。

 

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